INORI NO KATACHI

デジタルデザインスタジオWOWによる「いのりのかたち」展の展示会場の設計。「うつし」「文様」「やまのかけら」「めぐみ」の4つのテーマについて、フィールドワークの様子や制作プロセスに加え、実験的な作品を展示した。大学のスタジオを会場に、それぞれの作品が完成するまで、各テーマの展示物をアーカイブし、5つの段階を経て完成される、という展示計画である。段階的な展示物のアーカイブ、大学での授業の一時利用という条件から、状況に応じて展示会場が変容するよう、各什器が独立、移動できるように設計している。各テーマの展示はモニター2台とレファレンスを1セットとし、4つの移動可能な什器とそれらの周囲に作品や大型のレファレンスを配置した。什器はモニター壁や展示台を噛み合わせることで自立可能な形状としながら、デジタル作品に対応できるよう、配線や出力機器の収納にも使用できるようにしている。ギャラリーや展示室ではなく、大学施設を展示会場とした本展では、鑑賞者だけでなく、学内の活動とともに展示空間そのものが日々移ろう、かたちのない展示空間を目指した。

所在地:宮城県
用途:展示アーカイブ
面積:160 ㎡
竣工:2021
製作:STUDIO DESSERT
写真:公立大学法人 宮城大学 mitsuhiro gotoh architects